車の鍵の進化
車の鍵を一度見てみてください。過去に乗って来た車の鍵と明らかに違うところはありませんか?それは鍵の形です。
80年代ころの車の鍵といえば、ギザギザ形状でドアの鍵開けとエンジンを点火するためだけの簡易な作りとなっていました。
それゆえ、ドアロックの開錠方法は針金ワイヤーや簡易な工具で簡単に鍵をあける事が可能でした。ですが今では車にはカーナビなど盗まれてしまう恐れのあるものが多く、治安も大変良いわけではありません。車の鍵の進化は時代にあった防御策のひとつですね。
まず車の鍵の形状がギザギザの鍵から波状に掘りこんだ溝キーに変化します。これは特殊キーであるウェーブキーと呼ばれています。鍵屋さんが使う技術のひとつでピッキングがありますが、ウェーブキーの場合は難しくなります。プロの鍵屋でも車によってはピッキングで開けられるものから、鍵を作ってからでないと開けられないものもあるのです。
次にイモビライザーシステムですが、聞きなれない言葉ではあると思います。鍵の形状は一般的には変わらないですが、キーヘッドにICチップが入っておりその中にあるトランスポンダーキーとエンジンをかける鍵穴の中にあるIDコードが一致しなければエンジンをかける事ができない仕組みとなっているのです。例えドアの鍵に合わせて鍵を作ったとしてもエンジンをかけることができない為、車両盗難対策として日本国内では高めの車から導入されています。ヨーロッパでは標準装備が義務付けられている為、国内でも標準装備される日が来ることは近いでしょう。
ただし、進化する鍵とともに困ることもあります。鍵をもし失くしてしまった時、鍵を車のなかに閉じ込めてしまった時。そうなると活躍するのが鍵の技術を持つ鍵屋となるのですが、進化する車の鍵事情に合わせてイモビライザーキーの作成や特殊キーの鍵開け技術を様々な面から身に着ける必要があります。それには高価な機械や高い技術が必要となり、すべての鍵屋では行う事ができません。ディーラーに依頼すればよいのですが、鍵を作るまでに日がかかる事もあります。すぐに欲しいといったとき、緊急のときなどにも防犯性を発揮してしまう特殊キーゆえ、対応する鍵屋も技術料が高くなるので、鍵の進化というのはメリット・デメリットもあるのですね。